精神科受診のヒント

精神科への受診が難しくないことを見てきました。ここでは、精神科受診について、その他の参考になることをいくつかご紹介します。

どうやってよい病院やクリニックを探したらいいですか?

病院やクリニックのHPで情報を調べます。「病院検索」をご覧ください。次のようなポイントが参考になります。

  1. たいていは精神科クリニックや総合病院の精神科でOKです。入院も考えるなら精神科病院がよいでしょう。
  2. 通院が便利なところがよいでしょう。ただし知り合いと出会いたくないという理由で遠方の医療機関を選ぶ方もいます。
  3. 初診(はじめての受診)が予約制の場合には、受信まで少し待たなくてはいけないこともありますので、電話などでいつ予約が取れるか確認しましょう。
  4. あなたが受診しやすい曜日や時間帯に開いている病院を探すと便利です。
  5. 薬による治療以外に心理療法(通常1回1万円程度)を受けたい場合には専門スタッフがいるかどうか確認しましょう。
  6. インターネットでの患者の評判やコメントをリサーチしてみるのも一つの方法です。

精神科と心療内科ってどう違う?

受診する側にとって大きな違いはありません。精神科は心の病気の治療を担当する科で、心療内科はストレスが原因でおきる体の病気の治療を担当する科です。しかし最近では心療内科もうつ病などの心の病気を治療しています。

また、やわらかい言葉づかいが好まれて精神科が心療内科という呼び名を使っている場合もあります。なお精神科は、精神神経科、神経科、神経精神科という名称を使っていることもあります。

精神科へ受診したことは会社に知られないでしょうか?

精神科医を含めた医師は、医師法により患者の秘密を守ることが義務づけられており、違反した場合には刑法で罰せられます。あなたの許可なしに他の人にあなたのことを教えてしまうことはありません。

会社に診断書を出した場合には、後で、会社から医師に、あなたの様子や会社への助言をもらうために連絡があることもありますが、医師はあなたの了解を得ないで会社にこれらのことを話してしまうことはありません。ただし、医師と相談した上で、会社に知らせておいたり、お願いしておくべき事柄は医師から伝えてもらった方があなたにとっても利益になることが多いです。

なお、医療費の支払いに会社の健康保険を利用していた場合には、健康保険組合にあなたがその医療機関を受診したという報告がいくことになります。ただ、健康保険組合の担当者も、それを他言してはならないことが法律で決まっています。

治療がうまく進まない時

薬をのんだらかえって調子が悪くなったなどの場合には、必ず主治医に電話などで相談して指示を受けましょう。副作用がより少ない薬に変更したり、副作用どめを出したりするなどの対応をとってもらえます。あるいは医師の指示に従って1~2週間そのままで経過すると副作用が消えてしまうこともあります。

主治医の診断や治療方針に疑問を感じる場合もあります。主治医と相談するのが一番よいですが、他の医師に診てもらい意見をもらうこともできます。これを「セカンドオピニオン」と言います。主治医に「他の医師からセカンドオピニオンをもらって安心して治療を受けたい」と相談し、紹介状(診療情報提供書)をもらって他の医師を受診します。精神科の病院やクリニックでもセカンドオピニオンの相談に対応する専門外来を開設しているところがあります。

⇒ うつ病の治療法 > 治療について疑問が生じた時 にも詳しい解説があります。

お医者さんや患者さんからのコメント

精神科医:どんな治療をするかは患者さんと相談した上で、ご希望を聞いて決めます。病状がひどくならないうちに、一度相談に来ていただければと思います。
産業医:自分でうつ病と気づかないまま、精神科にも行かずに病状がひどくなり、不幸にも自殺されてしまう従業員の方もいます。精神科に抵抗感があるのもよくわかりますが、うつ病かな、と思ったらぜひ一度精神科で診てもらっていただきたいと思います。うつ病でなければそれで安心できますので。また会社の産業医や看護職などは、秘密を守って従業員の心の健康の相談にのっていますので、ぜひご相談ください。
患者さんから:最初は精神科に行ったり、薬を飲んだりするのにはとっても抵抗がありました。でも薬を飲んで1週間くらいすると、それまでつらかった症状がすっきりして、ずいぶん楽になりました。今は以前の調子にもどった感じですが、まだお薬は飲み続けたほうが再発しにくいと主治医の先生から言われているので、飲んでいます。

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