精神科の様子を見てみよう

それでは、精神科に行ってみましょう。

1.クリニックに出かける

あなたは、ネットで調べた精神科のクリニックの前までやってきました。精神科のクリニックの入り口はまるで内科か歯科のように見えます。思ったより一目を気にせずに入れそうです。

精神科のクリニック(診療所)は、駅周辺や街中など便利な場所にあることが多く、外見も内科などのクリニックとほとんど区別がつきません。夜間や土日に開いている便利なクリニックもあります。

2.受け付けをして待合室で順番を待つ

あなたは、クリニックの中に入ってみました。きれいな待合室に、診察を待っている人がたくさんいます。受付で保険証を出し、はじめての受診であることを伝えて診察のお願いをします。

クリニックによっては最初に受診する時に予約が必要なことがありますので、事前に電話で確認しておきましょう。

3.診察室でお医者さんと会う

あなたの順番がきて、診察室に呼ばれて入ります。診察室には、お医者さんがいて、立ち上がり、「こんにちは、△△さん。医師の××です。どうぞおかけください。」と挨拶します。やさしそうなお医者さんでほっとします。「今日はどんなことで来られたのですか」と聞かれます。

精神科の医師も普通の医師と同じです。精神科の医師は、あなたの困っていることをしっかり聞いて理解しようとしてくれます。

4.お医者さんに自分の状態を伝える

診察では、最初にお医者さんから今困っていることを自由に話してくださいと言われたので、伝えたいことをしっかり話すことができました。お医者さんからは「眠れますか?」「不調になったことに何かきっかけはありますか?」などの質問がありました。最後に、「エネルギーが低下してしまって気力がでない状態ですね。いわゆるうつ病という病気ではないかと思います」と説明がありました。

診察では、あなたから困っていることを話し、医師が追加の質問をします。経過についてメモなどを持参すると伝え残しがなく効率的です。必要なら検査をすることもあります。その上で医師から診断や見立てを教えてもらい、治療の方針について相談します。

5.お医者さんから治療方針の説明を受ける

お医者さんからは、今の状態をよくするために、お薬を飲んだ方がいいと勧められました。あなたは、薬を飲むと仕事ができなくなってしまうのでは、とか、やめられなくなったり副作用があるのではと不安に感じます。医師は、この不安1つ1つについて、ていねいに説明してくれました。

現在のうつ病の薬は依存性も副作用も少ないのが特徴です。しかし人によっては副作用があることもありますので、不安に感じた点は医師に質問するようにしましょう。また薬により治療を行うかどうかについても医師と話し合ってあなた自身が決めることが大事です。

6.お医者さんにその他の心配を相談する

あなたは、お医者さんの説明に納得し、しばらく薬を飲んでみることにしました。すると突然、精神科に来たことが会社に知られたらどうなるだろうと心配になりました。お医者さんにこのことをたずねると、笑って「大丈夫です。あなたの同意がない限り、会社やその他の人に伝えることはありません」と言われました。あなたはとても安心しました。

治療について心配に思ったことは、何でも医師にたずねておきましょう。あなたがOKを出さない限り、医師はあなたの受診や治療について秘密を守ってくれます。詳しくは次のページの「精神科受診についてのヒント」をご覧ください。

7.診察が終わったら

あなたは、1週間後にまた受診することをお医者さんと約束し、受付で診察券と薬の処方箋をもらって初診料を含めて3500円を払い(※)、クリニックを後にしました。近くの調剤薬局で処方箋を見せて薬をもらいます。薬代は約1000円(※)でした。薬を飲んでいると1週間くらいで調子が楽になりはじめました。幸い副作用もなく、次回の受診時にはお医者さんによい報告ができそうです。※金額は診察内容や医療保険の種類によって異なります。ご注意ください。

治療費(診察費と薬代)は、内科の場合とあまり変わりません。薬を飲んで1~2週間後にまた受診して医師と相談します。もしその間に何か問題があれば、クリニックに電話して相談することができます。

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